御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
好きだと簡単に口にするのはもったいないと思うほど、菫は黎が好きでたまらない。

けれどいくらそう思っても、この先何度も黎に好きだと伝えてしまうのだろうこともわかっている。
 
それはこれまでの二年を取り戻すためではなく、今伝えたくて仕方がないからだ。
 
見ると黎は顔だけでなく耳たぶまで赤くしている。

「俺。菫を幸せにできる権利を手に入れて舞い上がってるみたいだな。手に入らないとあきらめてたから、まだ夢心地なんだよ」
 
そう言って、菫の頬をするりと撫でる。

その指先にも声にも色気があふれ、菫の心臓は再び大きく脈打つ。

「夢なら絶対醒めてほしくない」
 
改めて黎が好きだと感じ、菫は祈るようにつぶやいた。

 


その後気持ちをどうにか落ち着けた菫と黎はテーブルに並ぶ料理を順に平らげていく。
 
菫が用意したランチは黎がリクエストしたボロネーゼをメインに卵スープとシュリンプサラダ、そして今朝菫が自宅で焼き、持参して温め直したロールパンだ。

黎はそのどれを食べても「おいしい」と口にし、フォークを動かし続けている。

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