御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
長身とはいえ細身の黎の身体のどこに入るのだろうと不思議に思うほど、黎はよく食べる。

「あ、クリスマスに航君が持ってきたチーズが冷蔵庫にあったよ。食べるならそれも出そうか?」
 
ほぼ完食した黎に、菫は問いかける。さっき冷蔵庫を覗いたとき、先月のクリスマスに果凛たちとこの部屋で食事をしたときに残ったチーズがそのままあるのを発見したのだ。

見ると消費期限までにはまだ余裕があった。

「だったらワインもあけよう。少し楽しむ程度なら菫も飲めるだろ」
 
菫の答えを待たず、黎はさっさとキッチンに設置されているワインセラーに向かう。
 
食事を楽しみたいと言って今まで炭酸水を飲んでいたのに、やはりワインが飲みたかったようだ。

「菫と飲みたいとっておきのボトルがあるんだ。菫ごのみの甘口の白だ」

「私と?」

お酒に弱いと知っているはずなのに一緒に飲みたいとはどういうことだろう。

菫が首をひねっている間に黎はワインを手に戻ってきた。

「ラベルを見てみろ」

黎は菫の目の前にボトルを置き、弾む声で菫を促す。

「え、すみれ?」
 
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