御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
「毎晩ひとりでベッドに入るたび菫のことを想ってたのに。菫はそうじゃなかったってことか? 意外にあっさりしてるよな」 

「ち、違う。私だってこの一週間、黎君と愛し合いたいって思ってた」

菫は心外とばかりに勢いよく顔を上げる。

「さっきも言ったけど、目が覚めるたびに黎君のこと考えて苦しかった。私だって黎君が好きで愛し合いたいって――」

「だったらここに越してこい。目が覚めたときに俺が隣にいれば苦しくないだろ?」

「え……?」
 
突然言葉を遮られて黎がなにを言っているのかしっかり聞きとれなかった菫は、目を瞬かせ聞き返す。

それでも耳に届いた単語をつなげると、なにか大切なことを言われたような気がした。

「一緒に暮らそう」

「一緒に、暮らす……?」
 
菫は頭の中で黎の言葉を何度も繰り返す。

「この二年間、散々時間を無駄にしてきたんだ。一緒に住むだけでそれを取り戻せるとは思わないけど、これからは一秒も無駄にしたくない」

「うん」

強い口調に反して優しい表情を浮かべる黎に、菫はおずおずとうなずいた。

菫も黎と同じ気持ちだ、この先は一秒も黎とすれ違っていたくない。


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