御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
けれど恋愛初心者の菫に同棲はハードルが高すぎる。

「とても魅力的な話だけど、付き合い始めたばかりだし、一緒に住むのはまだ早いかな」
 
菫には初めての恋愛で、一緒に暮らすなどまだ想像もできない。

「それに私……家族との関係がこじれていて、あ、お見合いなら絶対に断るから大丈夫。だけどこの先母さんがどう出てくるのかもわからなくて、もしかしたら黎君に迷惑をかけるかもしれない。それは絶対に嫌なの。私のことで黎君に迷惑をかけたくないし、黎君の邪魔になりたくない」

「おい。なんで俺が菫を邪魔に思うんだ? 家族とうまくいっていないのは菫のせいじゃないだろ」
 
それまでの穏やかな声とはまるで違う鋭い声に、菫は息をのむ。

「恋人がひどく悩んでいて夢の中でさえ苦しんで泣いてるんだ。どうにかしてやりたいと思うのは当然だろう。苦しみを共有して側にいてやりたいと思っても、邪魔だと思うわけがない。俺が菫を守るって言ったのを忘れたのか」

黎は心外だとばかりに眉を寄せる。

「黎君……」
 
菫は首を横に振り「ちゃんと覚えてる」とくぐもった声で答えた。

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