御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~

「いいだろう。すぐにでも引き払った方が安心だ。万が一お母さんが菫を連れ戻しに来てもも無理だからな」

「だとしても、明日なんて信じられない」

「まあ、車や人手の確保が必要だから返事待ちだけど、なんとかなるよ」

「そんな、簡単に……」

黎のことだ、今さらなにを言っても気持ちを変えることはないだろう。

菫は黎の身体に身を預け、肩を落とした。

「安心しろ。全部お任せパックであっという間だ。あとで業者につなぐから、運び出すものと廃棄してもいいものを指示してくれ」

「ん……わかった」
 
てきぱきと事を進める黎にはお手上げだ。

菫は素直に黎の言葉にうなずいた。

「黎君に任せたらなんでもあっという間でびっくりする。私はいつもひとりで悩んで時間ばかりが過ぎてしまうのに」

「これからはひとりで悩まなくていい。菫を守るのは菫だけじゃない。俺も菫を守るってことを忘れるな」

その言葉を聞き終わる直前、菫は温かく大きな黎の身体に包まれた。

「菫の一番近くにいるのは俺だ」

菫の肩に顔を埋め、黎は声を絞り出す。

想いの強さが菫の心にダイレクトに伝わってくる。

「黎君、大好き」
 
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