御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
これまでひとりで気を張って生きてきたこの八年から解放された菫は、なにより大切にしている言葉を口にしながら、黎の身体に腕を回した。

 


翌日の日曜日、菫は学生時代から住んでいた部屋を引き払い、黎の家に引っ越した。

聞けば紅尾ホールディングスには運送会社もあり、グループ企業の社員の引っ越しを専門に扱う部門があるそうだ。

翌日の引っ越しを手配できたのはそのおかげらしいが、それにしても黎の行動の早さに菫は驚かされた。
 
もともと所有している物は少ない上に電化製品や家具のほとんどを処分したおかげで搬入はあっという間に完了し、スペースに余裕があったウォークインクローゼットにほぼすべて収まった。

引っ越し前は本当に黎の世話になってもいいのだろうかと悩んだが、率先して作業を手伝う黎の笑顔を見れば同居を喜んでいるのは明らかで、菫はこれでよかったとようやく気持ちが落ち着いた。

これから毎日黎と一緒にいられる。それだけで強くなれるようにも思えた。

黎の自宅マンションの周辺には有名な飲食店が点在している。

< 126 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop