御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
そして黎とともに過ごせる日々が、いつまでも続きますようにと心から願った。




「今度ハンバーグがおいしい店に行かないか?」
 
黎はそう言いながら菫が先に入っていたベッドに潜りこむ。

「ハンバーグ?」

菫はくぐもった声で問い返し、黎の身体にもぞもぞと身を寄せしがみついた。

今にも眠ってしまいそうな菫の声と動きに、黎は起きているときにもこうして恥ずかしがらずに抱きついてほしいと口元を上げた。

「今日行った店の少し先にかなり知られてるハンバーグ専門店があるんだ」

黎は菫の首の下に腕を差し入れ、そのまま両手で菫の身体を抱き寄せた。

その身体は熱く、よっぽど眠いのだとわかる。

「菫を連れて行きたいって前から思ってたんだ」

まぶたを閉じている菫の様子をうかがいながら声をかけると、菫はあくびをかみころし顔を上げた。

「それ雑誌で見たことがあるかも。星を獲得している人気店だって載ってたかな」

「多分、そこだ」

黎は寝ぼけた声で答える菫の額に軽くキスを落とす。

天ぷらを堪能し帰宅したときにはもう菫の体力は限界で、引っ越しの片付けどころではなかった。

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