御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~

できあがったメールを送信し、黎はパソコンを近くのローテーブルの上に置いた。

そしてソファの背に身体を預け、凝り固まった首を左右に動かしている。

「終わった? 色々大変だね。最近は英語の仕事が増えてるみたいだし」

こうして夜中に黎がベッドを抜け出し仕事をするのは今日に限ったことではない。

三月に入り期末関係で忙しいのは菫も同じだが、最近の黎の仕事ぶりには驚かされている。

海外とのやり取りも増え、帰宅後眺めている資料も英文ばかりだ。

先週は夜中に海外とのオンライン会議をしていてベッドに黎が入ってきたのは明け方近くだった。

そんな猛烈な仕事ぶりを間近で見ながら、菫はいつか黎が体調を崩すのではないかと心配している。

もともと黎は紅尾ホールディングスの後継者としての意識が高く、なによりもまず会社や社員のことを考えている。

世界各地にあるグループ企業で働く何百万人という社員やその家族の生活を背負っているとなれば、それは当然なのかもしれない。

海外出張も多く、外国語に関しては英語とフランス語に問題はなく、スペイン語と中国語も日常生活に不便を感じないレベルで話せるという。

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