御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
かたや菫の英語力は大学受験に必要なレベルまでは勉強したがそれもとっくにさびついているはずだ。

今黎が作っていた英文も、ほとんど理解できなかった。

英語に限らず菫は黎が手がけている仕事についてほとんどなにも理解していない。

仕事で必要に迫られてパソコンを使っているが、本来はスマホの機能も十分使いこなせない機械音痴。

システム開発などまるで別世界の話で、黎の仕事のサポートをしたり相談に乗るなど絶対に無理なのだ。

そしてそれが、菫の最近の悩みのひとつでもある。
自分は黎の将来に必要なのだろうか、それどころか足を引っ張っていないだろうか。

その思いは一緒に暮らし始めてからさらに強くなり、黎の側にいられる幸せを感じるたび、それと同じだけの切なさが生まれている。

「今ロンドン支社の仕事を手伝ってるんだよ。なかなかやっかいな案件なうえに通常業務もあるから疲労困憊。菫、癒やしてよ」

黎は菫の腰を抱き寄せ唇を重ねる。

湿り気を帯びたリップ音が部屋に響いた。

「さっき抱いたばかりなのに、すぐに欲しくなる」

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