御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
 一度離れた唇が二度、三度と降りてきて、菫の唇を覆い尽くすようにキスを繰り返す。

「ん……」
 
キスならこの一カ月何度も繰り返しているのに、未だに恥ずかしい。

我慢できずに口から漏れる吐息がやけに大きく聞こえ、照れくさくて仕方がないのだ。

黎は菫の後頭部に手を回してしっかり固定し、何度もキスを繰り返す。

「菫」

欲を含んだ声が菫の耳元をくすぐる。

普段なら決して聞くことのない甘く熱い声だ。

黎の舌が菫の唇の隙間を探り口内に強引に侵入する。

菫は無意識に顔をそむけようとするが後頭部に回された黎の手にそれを拒まれ、我が物顔で動き回る熱い舌を必死で受け止める。

「ん……っふ」
 
黎は逃げる菫の舌を追いかけて、それを容赦なく絡め取る。

なすすべもなく黎の舌に蹂躙され、菫の呼吸がどんどん荒くなっていく。

菫の身体の中心に集まった熱が全身に広がり始め、それを逃がすように身体をくねらせ喘いでも、黎の舌が菫を解放する気配はない。

菫の口からは言葉にならない声ばかりがこぼれ落ちる。

「悪い。しばらく寝かせてやれない」

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