御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
ひとりで生きて行く強さを身につけるのは何年もかかったのに、弱くなるのは一瞬だ。
こんな短い間にひとりでいるのがこれほどさびしくなるとは想像もしていなかった。
黎と付き合い始めてからだってはまだ二カ月も経っていない。
こんな短期間での自分の変化に、菫は驚いている。
「あ、あれ……二カ月?」
菫は閉じていた目を開き慌てて起き上がると、サイドテーブルの上にあるスマホを手に取った。
そしてカレンダーを呼び出す。
「やっぱり……どうしよう」
菫は青ざめた顔でスマホをまじまじと見つめる。
年明け以来生理がないのだ。
「え……うそ」
菫はベッドにぺたんと座りこみ、そっとお腹に手を当てる。
もちろんなんの変化もない。
「赤ちゃん?」
だとすればもちろん父親は黎で、初めて抱かれたときに授かったのかもしれない。
「ど、どうしよう」
菫はどうしていいのかわからず手にしているスマホで黎の名前を呼び出すが、発信ボタンを押そうとしたところで動きを止めた。
黎に伝えても心配をかけるだけだ。
それにまだ妊娠が確定したわけではない。