御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
もちろんいつかは言わなければならないとわかっているが、仕事がたてこみ深夜二時頃タクシーで帰宅した黎は見るからに疲れていて言い出せなかった。
というのは言い訳で、実のところ打ち明けるのが怖くて言えなかったのが正しい。
有名雑誌に顔写真まで掲載されるほどの立場にいる黎にとって菫の妊娠はマイナスにしかならないはずで、どう切り出そうか決めあぐねているのだ。
今朝も普段通り早朝六時には会社に向かった黎と、顔を合わせる時間はほんのわずか。
それを理由になにも伝えなかった自分のずるさに、菫は朝から何度もため息をついている。
「あれほどの男前ふたりと親しいなんて、ほぼ奇跡。あ、でも御園さんもふたりと並んでも見劣りしないほど綺麗だし、それもまた奇跡ですよね」
「またそんなこと言って。ふたりと並んだら私なんて霞んで消えちゃうのに」
相変わらず黎への憧れを口にする笹原の気楽さに、菫の気持ちは幾分持ち直す。
「霞むなんてとんでもない。謙虚も度が過ぎると嫌悪ですからね。それに、この間だっておふたりは超お似合いでしたもん。あ、声が大きいですね」
なぜか笹原は周囲を見回し口を閉じる。
というのは言い訳で、実のところ打ち明けるのが怖くて言えなかったのが正しい。
有名雑誌に顔写真まで掲載されるほどの立場にいる黎にとって菫の妊娠はマイナスにしかならないはずで、どう切り出そうか決めあぐねているのだ。
今朝も普段通り早朝六時には会社に向かった黎と、顔を合わせる時間はほんのわずか。
それを理由になにも伝えなかった自分のずるさに、菫は朝から何度もため息をついている。
「あれほどの男前ふたりと親しいなんて、ほぼ奇跡。あ、でも御園さんもふたりと並んでも見劣りしないほど綺麗だし、それもまた奇跡ですよね」
「またそんなこと言って。ふたりと並んだら私なんて霞んで消えちゃうのに」
相変わらず黎への憧れを口にする笹原の気楽さに、菫の気持ちは幾分持ち直す。
「霞むなんてとんでもない。謙虚も度が過ぎると嫌悪ですからね。それに、この間だっておふたりは超お似合いでしたもん。あ、声が大きいですね」
なぜか笹原は周囲を見回し口を閉じる。