御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
「あ、でも、どうして黎君が依頼なんて……」

黎からはなにも聞いていない。

「黎は今日こちらに御園さんのお母さんが押しかけてくると予想して、私をこちらに寄越したんです。事前に会社に事情を説明しておくことで御園さんを守ろうと考えたようですね」

「黎君が」

あまりにも予想外な流れに、菫は言葉を失った。

「昨夜遅くにメールでやり取りしましたけど、御園さんをかなり心配してましたよ。冗談で手数料は特別料金にまけておくと伝えると〝特別料金なんてしなくていいからきっちり仕事をしろ。お金ならいくらでも払う〟と返ってきましたよ」

極はそのメッセージを思い出したのか、小さく笑い肩をすくめた。

「特別料金って、どこかで聞いたような……あっ、昨日黎君がベッドの中でメッセージのやり取りをしていたのって、あなただったんですね」

黎が不機嫌な顔でメッセージを送っていた相手は黎の従兄弟の極だったのだ。

てっきり仕事関係の人と打ち合わせでもしているのだと思っていた菫はかなり驚いた。

「へえ、ベッドから私に依頼していたわけですか」

極はその言葉に大げさに反応し、含みのある声で問いかける。

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