御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
「かまいませんよ。黎の生まれと見た目を考えれば、女性が骨抜きにされるのも理解できます。おまけに紅尾グループの後継者という立場と財力があれば、今回のように弁護士を動かす程度のことは簡単ですからね」
「は、はい?」
淡々と話す極の声にわずかな棘を感じ、菫は戸惑う。
丁寧な言葉を並べながらも菫が黎のバックグラウンドだけに惹かれていると思いこみ、それを非難しているような気がした。
よく見ると、口角は印象よく上がっているものの、目は笑っていない。
菫の真意を見透かそうとする目で見つめられ、それまで母のことで乱れていた菫の心がすっと鎮まっていく。
絶えず菫と一定の距離を保ちビジネスライクな姿勢に徹する極に菫は好感を抱いていたが、それは単に菫が気に入らないからなのだろう。
紅尾ホールディングスの社長夫人の立場を欲していた黎の元恋人の例を考えればそれも仕方ないが、黎の身内から向けられるマイナス感情は、やはりつらい。
菫はたまらず立ち上がり、極に頭を下げる。
「今日は本当にありがとうございました。私ひとりでは対処できなかったと思います」
「は、はい?」
淡々と話す極の声にわずかな棘を感じ、菫は戸惑う。
丁寧な言葉を並べながらも菫が黎のバックグラウンドだけに惹かれていると思いこみ、それを非難しているような気がした。
よく見ると、口角は印象よく上がっているものの、目は笑っていない。
菫の真意を見透かそうとする目で見つめられ、それまで母のことで乱れていた菫の心がすっと鎮まっていく。
絶えず菫と一定の距離を保ちビジネスライクな姿勢に徹する極に菫は好感を抱いていたが、それは単に菫が気に入らないからなのだろう。
紅尾ホールディングスの社長夫人の立場を欲していた黎の元恋人の例を考えればそれも仕方ないが、黎の身内から向けられるマイナス感情は、やはりつらい。
菫はたまらず立ち上がり、極に頭を下げる。
「今日は本当にありがとうございました。私ひとりでは対処できなかったと思います」