御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
菫の作品のファンだという紅尾システムの課長、佐伯が絶えずはしゃいだ声をあげ、菫を褒めちぎっているからだ。
かなり居心地が悪い。
「課長、いい加減落ち着いたらどうですか? これから会社に帰って会議ですよ」
佐伯とは別の聞き覚えのある男性の声に、菫は肩を震わせた。
顔を見なくても、面白がっているのがよくわかる。
「菫に一度でいいから会ってみたいって子どもみたいにごねるから時間を作ってもらったんですからね」
〝菫〟と呼び捨てにされ、菫はハッと顔を上げる。
「あ、菫が今朝家を出るときに言わなかったから驚いてる?」
「そ、そうじゃなくて、あの」
目の前で平然と菫の名を繰り返す黎に、菫は焦り口ごもる。
面談室のドアを開いた途端黎の姿が目に入り、菫は言葉を失うほど驚いた。
それを見越していたのか黎は落ち着いていて、菫は嫌な予感がした。
その予感は的中したようだ。
「すごいよね。御園さんが紅尾の恋人だなんて、最初聞いたときはびっくりして思わず妻に電話しちゃったんだよ。娘もパパすごーいって大喜び」
菫はぎょっとする。
やはり黎は菫を恋人だと正直に伝えているようだ。
かなり居心地が悪い。
「課長、いい加減落ち着いたらどうですか? これから会社に帰って会議ですよ」
佐伯とは別の聞き覚えのある男性の声に、菫は肩を震わせた。
顔を見なくても、面白がっているのがよくわかる。
「菫に一度でいいから会ってみたいって子どもみたいにごねるから時間を作ってもらったんですからね」
〝菫〟と呼び捨てにされ、菫はハッと顔を上げる。
「あ、菫が今朝家を出るときに言わなかったから驚いてる?」
「そ、そうじゃなくて、あの」
目の前で平然と菫の名を繰り返す黎に、菫は焦り口ごもる。
面談室のドアを開いた途端黎の姿が目に入り、菫は言葉を失うほど驚いた。
それを見越していたのか黎は落ち着いていて、菫は嫌な予感がした。
その予感は的中したようだ。
「すごいよね。御園さんが紅尾の恋人だなんて、最初聞いたときはびっくりして思わず妻に電話しちゃったんだよ。娘もパパすごーいって大喜び」
菫はぎょっとする。
やはり黎は菫を恋人だと正直に伝えているようだ。