御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
仕事で富川製紙に出入りする機会があるというのに、やりづらくないのだろうか。
「課長、紅尾さんに言われたこと、覚えてます? いくら御園さんに会えてうれしいからってはしゃぎすぎ。それに、彼女はたしかに美人ですけど芸能人でもなんでもないんですからね」
そのとき室内にいたもうひとりが冷静な声で佐伯を注意した。それまでなにも言わず黎の隣で成り行きを見ていた女性だ。彫りが深く印象的な顔立ちの美人で、菫と同年代に見える。
「も、もちろん酒(さか)井(い)さんの言う通りだよ。僕は御園さんの作品が大好きで、だから今日は会いに来たんだ。とにかくお礼が言いたくてね」
「お礼、ですか?」
わずかに落ち着きを取り戻した佐伯の言葉に、菫は首をかしげる。
佐伯は菫からプレゼントされた作品集を手に取ると、丁寧にベージをめくる。
「これ。このくす玉」
佐伯は作品集の中でも簡単に作ることができるくす玉の写真を指差した。
「課長、紅尾さんに言われたこと、覚えてます? いくら御園さんに会えてうれしいからってはしゃぎすぎ。それに、彼女はたしかに美人ですけど芸能人でもなんでもないんですからね」
そのとき室内にいたもうひとりが冷静な声で佐伯を注意した。それまでなにも言わず黎の隣で成り行きを見ていた女性だ。彫りが深く印象的な顔立ちの美人で、菫と同年代に見える。
「も、もちろん酒(さか)井(い)さんの言う通りだよ。僕は御園さんの作品が大好きで、だから今日は会いに来たんだ。とにかくお礼が言いたくてね」
「お礼、ですか?」
わずかに落ち着きを取り戻した佐伯の言葉に、菫は首をかしげる。
佐伯は菫からプレゼントされた作品集を手に取ると、丁寧にベージをめくる。
「これ。このくす玉」
佐伯は作品集の中でも簡単に作ることができるくす玉の写真を指差した。