御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
気まずい思いで電話を終えたあの日以来、菖蒲とは話していない。
このままではいけないと思いつつもその後妊娠がわかり、加えて黎の海外赴任の件で動揺したこともあって先延ばしにしていたのだ。
電話越しに聞いた菖蒲の悲痛な声を思い出しながら、菫はメッセージを開いた。
【上京してます。会いたいので時間があったらここに来て】
菖蒲のメッセージに添付されていたURLを開くと、都内でも有名な大型書店の地図が表示された。
突然の連絡に驚いたが、菖蒲から誘われるのは高校を卒業して以来初めてだ。
菫は緊張で震える手で菖蒲に電話をかけた。
「えっと、これも買っておこうかな」
書店に着いた途端、次々とカートに本を入れる菖蒲を菫はぽかんと眺めていた。
菫が押して歩いているカートには幼稚園教諭のための専門誌や園児たちと楽しむ指遊びや体操の特集雑誌。
そしてピアノの楽譜などの本や資料が山盛りになって入っている。
軽く二十冊は超えていて、店内を回る菖蒲のあとをついて歩きながら菫は言葉を失っていた。
このままではいけないと思いつつもその後妊娠がわかり、加えて黎の海外赴任の件で動揺したこともあって先延ばしにしていたのだ。
電話越しに聞いた菖蒲の悲痛な声を思い出しながら、菫はメッセージを開いた。
【上京してます。会いたいので時間があったらここに来て】
菖蒲のメッセージに添付されていたURLを開くと、都内でも有名な大型書店の地図が表示された。
突然の連絡に驚いたが、菖蒲から誘われるのは高校を卒業して以来初めてだ。
菫は緊張で震える手で菖蒲に電話をかけた。
「えっと、これも買っておこうかな」
書店に着いた途端、次々とカートに本を入れる菖蒲を菫はぽかんと眺めていた。
菫が押して歩いているカートには幼稚園教諭のための専門誌や園児たちと楽しむ指遊びや体操の特集雑誌。
そしてピアノの楽譜などの本や資料が山盛りになって入っている。
軽く二十冊は超えていて、店内を回る菖蒲のあとをついて歩きながら菫は言葉を失っていた。