御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
「母さんのことなら私にも責任があるから、こっちでなんとかする。あの人、結局自分が進みたい道に進む菫ちゃんが昔からうらやましかったのよ。上京したこともそうだし、中学のときは吹奏楽部に入って自分の好きなことに夢中になってたし。あの人はおじいちゃんに無理矢理父さんと結婚させられて幼稚園を継いで、親の言いなりでやりたいことがなにひとつできない人生だから。それって私も同じだからよくわかるの。まあ、あの人の場合、ちょっといきすぎだよね。きっと精神的に弱いのよ」
「弱い?」
「そう。周囲に言われるがままに従順に生きる方が楽だもん。そういう生き方を選ぶしかない程度に、あの人は弱かったってこと。だから自由に生きている菫ちゃんに腹を立てて連れ戻そうとしたのよ。お見合いなんて口実。菫ちゃんが楽しそうにしているのが許せなかったのね。本当、的外れで虚しい・・・・・・でも、私だって母さんと同じだよね」
唇を噛みしめ、苦しげに顔を歪める菖蒲が小さく見える。
「菖蒲、ごめん。私、自分は不幸だって思ってたけど、全然違ってたね」
菖蒲の葛藤を思い、菫は思わず頭を下げた。
「弱い?」
「そう。周囲に言われるがままに従順に生きる方が楽だもん。そういう生き方を選ぶしかない程度に、あの人は弱かったってこと。だから自由に生きている菫ちゃんに腹を立てて連れ戻そうとしたのよ。お見合いなんて口実。菫ちゃんが楽しそうにしているのが許せなかったのね。本当、的外れで虚しい・・・・・・でも、私だって母さんと同じだよね」
唇を噛みしめ、苦しげに顔を歪める菖蒲が小さく見える。
「菖蒲、ごめん。私、自分は不幸だって思ってたけど、全然違ってたね」
菖蒲の葛藤を思い、菫は思わず頭を下げた。