御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
黎は紺色のケースを菫の目の前に差し出すと、もったいぶるようにゆっくりと開いた。

「わあ……綺麗」
 
目の前に現れたのは、深い輝きを放つダイヤモンドの指輪だ。

センターストーンはかなり大きく一カラット近くありそうで、両サイドにも小粒のダイヤが三個ずつ並んでいる。

「結婚するぞ」

決して上から押しつけるわけではなく、むしろようやく結婚できる喜びに昂揚している声音で、黎はプロポーズの言葉を贈る。

菫の左手を取り、慎重に指輪を薬指に通した。

「ぴったりだな。それに菫によく似合ってる」

指輪などこれまで自分で買うことがなかった菫は、初めて知るダイヤの輝きに言葉を失った。

どの角度から見ても眩しい光を放っている。

「ほんとに綺麗」

菫は左手を胸に抱きしめ、身体の奥から湧き出てくる喜びに息を止めた。

「結婚指輪は一緒に選ぼう。一生身につけるものだからな」

「うん、うん……ありがとう」
 
声を震わせ何度もうなずく菫を、黎は椅子ごと身体を寄せて抱きしめる。

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