御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
この調子でいくと、出産までの半年で、黎は燃え尽きてしまいそうだ。

「あ、あのね。今通っているクリニックには出産設備がないから、出産する病院を決めなきゃいけないんだけど。どこか心当たりはある?」

ふと次の検診でドクターと相談する予定だったことを思い出し、菫は聞いてみる。

「だったら白石病院。ここから近いしなにより俺が生まれた病院。院長が母さんの親戚だから大丈夫だと思う」

「白石病院……」
 
国内でも広く知られた総合病院で、中でも産婦人科は政治家や芸能人御用達でかなり有名だ。

入院費用はかなりのものだと聞いている。

「ね、ねえ、黎君、その病院以外にどこかないかな」

そこはあまりにも身の丈に合っていない病院だ。

菫は他にあてはないのかと聞こうとしたが、すでに黎はスマホを手に電話をかけていた。

「あ、母さん。菫の出産だけど、白石のおじさんに頼めないかな。ああ、まだ決まってないんだ。あ、そうなんだ。ああ、それでいい。こっちのクリニックで書類をもらうんだな。了解。じゃ、おじさんによろしく言っておいて」

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