御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
その気持ちが落ち着いた頃を見計らって見合いは破談になったとでも言おうと考えていたが、結局今日に至るまで黎への気持ちが落ち着く気配はなく、見合いの件について口にする機会もなかった。
「俺が結婚?」
居心地の悪さにうつむく菫の耳に、黎の困惑する声が届く。
見ると黎の眉間に深い溝ができている。
「俺の結婚ってなに? 今までそんな話をした記憶はないけど」
黎は思い返すようにつぶやき、菫を見つめ首をかしげる。
「だって、あの頃の黎君は彼女との約束優先で付き合いが悪くて……よっぽど彼女が好きなんだなって。だから結婚も近いって思ってた」
それに父親から結婚を急かされていると聞き、これは間違いなく結婚が近いと思ったのだ。
「だけど私がお見合いの後戻ってきたら、黎君は彼女と別れてすごく落ちこんでるからびっくりしたの。黎君、彼女と結婚したかったんでしょう? だから彼女としょっちゅう会って――」
「は? なんでそうなる……」
黎は大きく息を吐き、菫の肩に力なく額を乗せた。痩せているとはいえ長身の身体が押しつけられ、菫はソファの上で小さく固まった。
「あの、黎君……?」
「俺が結婚?」
居心地の悪さにうつむく菫の耳に、黎の困惑する声が届く。
見ると黎の眉間に深い溝ができている。
「俺の結婚ってなに? 今までそんな話をした記憶はないけど」
黎は思い返すようにつぶやき、菫を見つめ首をかしげる。
「だって、あの頃の黎君は彼女との約束優先で付き合いが悪くて……よっぽど彼女が好きなんだなって。だから結婚も近いって思ってた」
それに父親から結婚を急かされていると聞き、これは間違いなく結婚が近いと思ったのだ。
「だけど私がお見合いの後戻ってきたら、黎君は彼女と別れてすごく落ちこんでるからびっくりしたの。黎君、彼女と結婚したかったんでしょう? だから彼女としょっちゅう会って――」
「は? なんでそうなる……」
黎は大きく息を吐き、菫の肩に力なく額を乗せた。痩せているとはいえ長身の身体が押しつけられ、菫はソファの上で小さく固まった。
「あの、黎君……?」