皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
 そう、騎士科は平民でも入学できる。特に女性は人手が足りていないから、安い学費か試験の結果によっては全額免除か。ルネは女性騎士として優秀だから、多分、学費は免除。
 だけど、それ以上油を注がないで、とミレーヌは思う。

「お前たち、何をやっている」

 そこへ、エドガー登場。
 姿は見えないけれど、なんとなく想像できる立ち位置。

「第三騎士隊のエドガー隊長?」
 ルネ、なんでそこが疑問形なのよ、というミレーヌの心の声。エドガー隊長の姿くらい、わかっているでしょう、と。

「ちょっと、なんで騎士隊長が来るのよ」

「この時間なら誰も来ないはずでしょ」

「知らないわよ」

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