皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
 動揺したお嬢様たちは、やってしまった。シャノンの身体にドンと当たってしまったのだ。

 彼女の身体が傾くのが見えた。それはもう、はっきりとゆっくりと。

「お兄様」

「わかってる」

 ――ミレーヌ。浮遊魔法を。

「わかってる」
 それはミレーヌの言葉。彼女の落下速度を落としたい。風の力で、彼女に浮遊を。
< 102 / 125 >

この作品をシェア

pagetop