皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
(えー。それは嫌かも。だって、あの皇子。好みじゃないの。なよってるし)

 という一般的な女性とはずれた考えを持つミレーヌ。

 ――わかってるわ。ミレーヌがあれを好んでないことは。でもね、何をしても婚約者に選ばれてしまうの。悲しみしかないわね。

 どうやら天の声はミレーヌの好みまで把握しているらしい。

 ――そしてさらに、もう一つおまけがあるのよ。

(何、何?)
 おまけ、という言葉には弱いお年頃だ。どんなおまけがついてくるのだろう、と変に期待をしてしまう。

 ――卒業する年にね、平民出の優秀な生徒が現れて、皇子はその娘に夢中になってしまうの。それでね、ミレーヌは婚約破棄されてしまうの。さらに、その娘に嫌がらせをした罰で、国外追放となってしまう。

(は? なんなの? その流行りの展開は)

 ミレーヌは心の中で思い、天の声に語りかけた。

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