皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
 ――そうなの。残念なことにミレーヌは流行りの展開にのってしまうのよ。だから、それを覆すには騎士科に進学して、騎士となる道を選ぶのが一番いいの。そうなれば、あの第一皇子の婚約者候補から外れるから。

 という天の声からのお告げ。

 そんなお告げによって、ミレーヌは騎士科への進学を決めたのだ。
 好みでない第一皇子の婚約者に選ばれた挙句、国外追放とは。なんなの、その人生。絶対にお断りしたい案件である。

 ちなみにここでミレーヌのことを思って補足しておくが、彼女はけして人に嫌がらせをするような性格ではない。

 天の声が思うに、これはいつも厳しく物事を言い放っていたミレーヌに対する第一皇子からの仕返しのようなもの。
 皇子が求めているのは「大丈夫ですか? お怪我はありませんか?」という言葉であり、「自分で立ちなさい」ではないらしい。
 相性最悪の二人。なぜこの二人を婚約させた? と、天の声でさえもそう思っていた。
 だから双方のためにも、二人を婚約させてはならない、と天の声も思っていた。

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