年下イケメンホテル王は甘え上手でいじわるで
「私、お酒、弱いんです。社長をお守りしたいので、ウーロン茶でお願いします」
と真面目に頭を下げた。
「つまんねー女っ」
金城がずばっという。「そんなんじゃ他の女に社長を取られるぞ」
ズキッ。なぜか胸の奥に鉛をおかれたような息苦しさが起こる。いや、気のせい、気のせいだ。何でもない、何でもない。自分に言い聞かせる。
「別に社長とはそういう関係ではありません。私はボディーガードです」
「でもさ~、楽しく飲めて、守ってくれるボディーガードがいたらそっちがよくね?」
金城は手際よく目の前で沖縄県産だという肉を焼きながら言った。目の前のお皿に焼き加減の絶妙な肉が乗せられた。
「とりあえず、乾杯しようか。ゴウも何か飲んでいいよ」
「あ、言われる前にもう準備してるわ」
二人は片手にビールを持っている。
私もあきらめて、ビールを手に取った。
「乾杯!」
三人のグラスがかちんと鳴った。
「おいしい!」
こんな美味しい肉を食べたのははじめてかもしれない。歯ごたえはあるのにいつの間にかお肉が口のなかでとけてなくなっている。
「それはよかった、でも滝田さんのビール、ぜんぜん減ってないよ」
社長がにこやかにビールを指さす。
「飲ませようとしないでくださいよ。私、ほんと、弱いんですから」
私はお肉を口にほうりこみながら言った。実は弱いわけではない。だけど、お酒が入ると物事に対する理性がゆるくなってしまう。大学のときに付き合った後輩も、お酒の席がきっかけだった。だからこの男にはなるべく隙を見せないでおこうと思っていた。
一時間ほどたつと、すいていた店内も混み始めていた。最初はそばについていた金城も忙しく店内を動いている。
「はやってますね」
「そう。人気なんだよ。金城もああ見えて努力家なんだよな。若いのにえらいよ」
まるで隠居後の老人のような言い方に私は吹き出すと
「何ですかそれ、社長もお若くて、ホテル王で、すごくてえらいですよ」
と言った。
社長はビールから焼酎の水割りに変えたグラスを口につけると
「・・・うれしいな」
と真面目に頭を下げた。
「つまんねー女っ」
金城がずばっという。「そんなんじゃ他の女に社長を取られるぞ」
ズキッ。なぜか胸の奥に鉛をおかれたような息苦しさが起こる。いや、気のせい、気のせいだ。何でもない、何でもない。自分に言い聞かせる。
「別に社長とはそういう関係ではありません。私はボディーガードです」
「でもさ~、楽しく飲めて、守ってくれるボディーガードがいたらそっちがよくね?」
金城は手際よく目の前で沖縄県産だという肉を焼きながら言った。目の前のお皿に焼き加減の絶妙な肉が乗せられた。
「とりあえず、乾杯しようか。ゴウも何か飲んでいいよ」
「あ、言われる前にもう準備してるわ」
二人は片手にビールを持っている。
私もあきらめて、ビールを手に取った。
「乾杯!」
三人のグラスがかちんと鳴った。
「おいしい!」
こんな美味しい肉を食べたのははじめてかもしれない。歯ごたえはあるのにいつの間にかお肉が口のなかでとけてなくなっている。
「それはよかった、でも滝田さんのビール、ぜんぜん減ってないよ」
社長がにこやかにビールを指さす。
「飲ませようとしないでくださいよ。私、ほんと、弱いんですから」
私はお肉を口にほうりこみながら言った。実は弱いわけではない。だけど、お酒が入ると物事に対する理性がゆるくなってしまう。大学のときに付き合った後輩も、お酒の席がきっかけだった。だからこの男にはなるべく隙を見せないでおこうと思っていた。
一時間ほどたつと、すいていた店内も混み始めていた。最初はそばについていた金城も忙しく店内を動いている。
「はやってますね」
「そう。人気なんだよ。金城もああ見えて努力家なんだよな。若いのにえらいよ」
まるで隠居後の老人のような言い方に私は吹き出すと
「何ですかそれ、社長もお若くて、ホテル王で、すごくてえらいですよ」
と言った。
社長はビールから焼酎の水割りに変えたグラスを口につけると
「・・・うれしいな」