年下イケメンホテル王は甘え上手でいじわるで
「きっ・・・きらい・・・じゃないけど・・・」
嫌いと言い切ってしまうつもりだったが、元来嘘が苦手なこともあるし、嫌いと言って社長に幻滅されたくないという気持ちも正直あった。この人を好きになってはいけないと思うのに、嫌われたくないという気持ちが交錯して私の気持ちがせわしなかった。
「けど?」
「わ、私たちは、社長とボディーガードです。恋人とか夫婦じゃないですから、そういうことをするのはおかしいと思います」
「じゃあ、付き合おう」
「じゃあ! じゃあって!! そんなテキトーな気持ちで付き合うような男とは付き合っちゃいけませんって、昔テレビで占い師が言ってました!」
社長を見ないようにしていたのに、私は思わず社長を見て大声でそういっていた。だっ、だから、近いんだって・・・! 社長の体はもうほぼ私に密着していて、甘い香りが鼻孔をついた。そういえば、嵐が泣いて帰ってきたときに抱きしめてあげると、いつもシャンプーのいい匂いがしてたっけ・・・。
「あははは、占い師って・・・! りこねえ、おもしれえ」
社長はシャンパングラスをおいて、さもおかしそうに笑っていた。この顔だけ、切り取って飾っておきたいと思った。社長と付き合いたいわけじゃない。私は社長のこの顔が見られたら満足してしまえるのだ。少し冷静になった私は言った。
「社長、私をからかわないでください。私、知ってます。社長にはたくさん女性がいらっしゃるじゃないですか。今日の焼肉店での女性も、お付き合いされてたかたなんでしょう?」
「えっ、付き合ってないよ、付き合ってない」
きょとんとした表情で社長が言う。
「ああ、でもそうだよね、あれを見たら確かに痴情のもつれにしかみえないか・・・。そうやってまたネットとかに書かれちゃうんだよなあ」
社長がシャンパングラスを手にとり飲み干す。私は空になったグラスにシャンパンを注いだ。
「さっきの女性はもともと仕事を一緒にしてたんだけど、なんていうか・・・だんだん、ストーカーみたいなことをするようになってきてさ・・・ぼくも仕事柄はっきりNOと言わなかったのが悪かったんだけどどんどんエスカレートしていって。はっきり拒絶したときにはすでに手遅れ。周囲にはぼくに遊ばれて捨てられたって吹聴してるみたいだよ。参るよね。ぼく、地雷女には手は出さないよ」
「じゃ、じゃあ、永井さんは?」
「永井?」
嫌いと言い切ってしまうつもりだったが、元来嘘が苦手なこともあるし、嫌いと言って社長に幻滅されたくないという気持ちも正直あった。この人を好きになってはいけないと思うのに、嫌われたくないという気持ちが交錯して私の気持ちがせわしなかった。
「けど?」
「わ、私たちは、社長とボディーガードです。恋人とか夫婦じゃないですから、そういうことをするのはおかしいと思います」
「じゃあ、付き合おう」
「じゃあ! じゃあって!! そんなテキトーな気持ちで付き合うような男とは付き合っちゃいけませんって、昔テレビで占い師が言ってました!」
社長を見ないようにしていたのに、私は思わず社長を見て大声でそういっていた。だっ、だから、近いんだって・・・! 社長の体はもうほぼ私に密着していて、甘い香りが鼻孔をついた。そういえば、嵐が泣いて帰ってきたときに抱きしめてあげると、いつもシャンプーのいい匂いがしてたっけ・・・。
「あははは、占い師って・・・! りこねえ、おもしれえ」
社長はシャンパングラスをおいて、さもおかしそうに笑っていた。この顔だけ、切り取って飾っておきたいと思った。社長と付き合いたいわけじゃない。私は社長のこの顔が見られたら満足してしまえるのだ。少し冷静になった私は言った。
「社長、私をからかわないでください。私、知ってます。社長にはたくさん女性がいらっしゃるじゃないですか。今日の焼肉店での女性も、お付き合いされてたかたなんでしょう?」
「えっ、付き合ってないよ、付き合ってない」
きょとんとした表情で社長が言う。
「ああ、でもそうだよね、あれを見たら確かに痴情のもつれにしかみえないか・・・。そうやってまたネットとかに書かれちゃうんだよなあ」
社長がシャンパングラスを手にとり飲み干す。私は空になったグラスにシャンパンを注いだ。
「さっきの女性はもともと仕事を一緒にしてたんだけど、なんていうか・・・だんだん、ストーカーみたいなことをするようになってきてさ・・・ぼくも仕事柄はっきりNOと言わなかったのが悪かったんだけどどんどんエスカレートしていって。はっきり拒絶したときにはすでに手遅れ。周囲にはぼくに遊ばれて捨てられたって吹聴してるみたいだよ。参るよね。ぼく、地雷女には手は出さないよ」
「じゃ、じゃあ、永井さんは?」
「永井?」