年下イケメンホテル王は甘え上手でいじわるで
 誰にも触れられてこなかった先端は過敏になっていて、私は身をよじった。私の声をとめるかのように、社長が唇を合わせてくる。キスをしているのに胸を触ることをやめず、私はいつの間にか夢中で社長の舌に自分の舌をからませていた。
「りこねえ、エロ・・・。腰が動いてるよ」
「やだぁっ・・・ああんっっ」
 恥ずかしいのに、あまりの気持ちよさに勝手に腰がうごめいてしまう。
「もっと気持ちよくしてあげるね」
 社長がパンツスーツに手をかける。その時、私はハッと我に返った。違和感があるのだ。これはもしかして・・・
「だっ、ダメです!!!!」
 私はものすごい勢いで起きあがった。そして「失礼します!!!」と言うとトイレに駆け込んだ。


 生理が一週間も早く来てしまった。ほぼ周期通りにくるからすごく珍しいことである。でもおかげで私の貞操は守られたわけで、なしくずしにそういう関係にならなかったことに死ぬほど感謝した。
 トイレから出てきた私は社長に話し、恥を忍んで生理用品などを貸してもらった(正確にいうとホテルの備品をいただいたのだが)
 それからシャワーを浴びて、ベッドに横になっているのだが、今、まったく眠れない状態である。なぜなら社長も今日はこの部屋に泊まるといって、バスローブ一枚で隣にもぐりこんできたからだ。髪の毛が濡れてすこしぺちゃんこになった社長は幼く見える。かと思えば、バスローブからのぞく腕や足は細いのにがっしりしていて筋肉質で、すっかり大人の男だった。
 さっき、私の腕をソファに押しつける力も強かった・・・と思い出して私は赤面した。またしても私はなんてことを・・・!
「りこねえ、もう寝ちゃった・・・?」
「・・・寝てないよ」
「よかった」
 社長が背中から抱き抱えるようにして私を抱きしめる。心臓がドクドクと速くなる。
「りこねえ、ごめんね。たぶん、りこねえに生理きてなかったら、あのままりこねえのこと抱いてた。順番が逆になっちゃうところだった」
「順番・・・?」
 社長が私の体の向きを優しく変えた。そして穏やかな表情でそっと片手を私の頬に乗せた。
「ぼく、りこねえのことが好き」
 心臓が大きく鳴った。
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