年下イケメンホテル王は甘え上手でいじわるで
社長が笑った。眉がさがり、綺麗な歯を惜しげもなく見せる。あ、またあの顔・・・。今まで緊張していた体がふっとほぐれた。
「よろしくお願いいたします」
私も笑いながら応じた。
「俺の存在忘れてるでしょ」
「忘れてない忘れてない。この男は、金城ゴウ、私の悪友です。大変失礼なことをして申し訳ありませんでした」
金城はむすっとした顔で立ち上がり、私の顔を見ることもなく会釈した。どうやら私は嫌われたらしい。
「ゴウは焼肉店を経営してるんですよ。さっそく今晩行きませんか」
「あ、いえ、すみません。日帰りのつもりでもう帰りの飛行機も予約しているんです」
「それならキャンセルしてしまえばいい。もちろんキャンセル代はお支払いします。派遣先にも電話で、本日よりボディガードをしてもらうということをお話すれば大丈夫ですよね」
「え、あ、いえ、着替えとか・・・必要なものとか何一つ持ってきていないので・・・一度自宅に取りに・・・」
あまりにも唐突な提案に私は動揺し、言葉を濁した。雇ってもらうことはありがたい。だけど、あまりに急すぎる。
「すべて買い揃えます。必要なものも、そうでないものも。あなたが望むものはすべて」
社長はかすかに笑みを浮かべながらそういったが、目の奥は冷ややかで、私は背筋がぞくりとするのを感じた。
「・・・はい・・・」
思わず返答した私を見て、金城は
「じゃあ、また夜、店でな」
と部屋を出ていった。ドアを閉める瞬間、
「あんた、気をつけろよ。その男、すげえ女ったらしだから」
意地悪くにやりと笑ってそういった。私は思わず社長の顔を見た。
「今日からこの部屋があなたの住まいです」
社長は意に介した様子もなく、さらっとすごいことを口にする。
「えっ! ここ!?」
「気に入りませんか? 一泊50万のスウィートルームですが」
「とんでもありません。むしろよすぎて恐縮です・・・もっと普通の部屋でも・・・」
「今はゴールデンウィーク明けの閑散期ですから、かえってスウィートのほうが予約が入らないんですよ。お気になさらず。さっそく必要なものを買いに行きましょう。私はこれから会議なのでご一緒できませんが、私の秘書についていかせますので」
社長が手際よく内線をかける。ほどなくして扉がノックされた。社長がドアを引くと、セミロングのつややかな髪の女性が入ってきた。
「よろしくお願いいたします」
私も笑いながら応じた。
「俺の存在忘れてるでしょ」
「忘れてない忘れてない。この男は、金城ゴウ、私の悪友です。大変失礼なことをして申し訳ありませんでした」
金城はむすっとした顔で立ち上がり、私の顔を見ることもなく会釈した。どうやら私は嫌われたらしい。
「ゴウは焼肉店を経営してるんですよ。さっそく今晩行きませんか」
「あ、いえ、すみません。日帰りのつもりでもう帰りの飛行機も予約しているんです」
「それならキャンセルしてしまえばいい。もちろんキャンセル代はお支払いします。派遣先にも電話で、本日よりボディガードをしてもらうということをお話すれば大丈夫ですよね」
「え、あ、いえ、着替えとか・・・必要なものとか何一つ持ってきていないので・・・一度自宅に取りに・・・」
あまりにも唐突な提案に私は動揺し、言葉を濁した。雇ってもらうことはありがたい。だけど、あまりに急すぎる。
「すべて買い揃えます。必要なものも、そうでないものも。あなたが望むものはすべて」
社長はかすかに笑みを浮かべながらそういったが、目の奥は冷ややかで、私は背筋がぞくりとするのを感じた。
「・・・はい・・・」
思わず返答した私を見て、金城は
「じゃあ、また夜、店でな」
と部屋を出ていった。ドアを閉める瞬間、
「あんた、気をつけろよ。その男、すげえ女ったらしだから」
意地悪くにやりと笑ってそういった。私は思わず社長の顔を見た。
「今日からこの部屋があなたの住まいです」
社長は意に介した様子もなく、さらっとすごいことを口にする。
「えっ! ここ!?」
「気に入りませんか? 一泊50万のスウィートルームですが」
「とんでもありません。むしろよすぎて恐縮です・・・もっと普通の部屋でも・・・」
「今はゴールデンウィーク明けの閑散期ですから、かえってスウィートのほうが予約が入らないんですよ。お気になさらず。さっそく必要なものを買いに行きましょう。私はこれから会議なのでご一緒できませんが、私の秘書についていかせますので」
社長が手際よく内線をかける。ほどなくして扉がノックされた。社長がドアを引くと、セミロングのつややかな髪の女性が入ってきた。