ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う
 何も知らないスイレンにすこしも嫌な顔をすることなく、優しくリカルドは説明した。興味深そうに自分から出た白濁液を触っているスイレンを愛しげに見やり、後始末のために用意していた柔らかな布で優しく彼女の体を拭いていく。

「リカルド様との赤ちゃん……」

 スイレンは嬉しそうに頬を染めて呟いた。そうなのか、皆こういうことをして子作りをして赤ちゃんを作っているんだ。大好きな彼との子供が出来るなら、なんて、それはどれだけ幸せなことだろう。

「ん、そうだよ。スイレンは男と女どっちが良い?」

 とりあえずの後始末を終えたリカルドはスイレンと額を重ね合わせた。彼の熱い吐息を感じて、くすぐったくて笑ってしまう。

「どっちでも。リカルド様とこれからも一緒に居れるなら……何でも良いんです」

「スイレン、俺には君だけだ。ずっとずっと、君だけを愛するよ」

 そう言ってくれた言葉が嬉しくて、スイレンは目を閉じた。ぎゅっと抱きしめられて、幸せで温かくてすうっと眠りに滑り込んでいく。

 彼が居るなら、それが何処だとしても、私にとっての天国に変わるに違いない。
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