【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 スイレンは笑って立ち上がるとワーウィックの柔らかな頬にキスをした。自分で言ったくせに吃驚した顔をしている可愛い少年を置いて、一人で階段へと向かった。

 今日家を出る時、こんな風になるなんて思っていなかった。初めてリカルドの腕に抱かれて目覚めて、本当に幸せな気分だったのに。勿論、あの可哀想なほどに泣いていたイジェマのせいではないことは、わかっているけれど、どうしてもこんなはずじゃなかったのにと思ってしまう。

 今日もあの続きをしてもらえるかも、なんてどこか期待して思っていたのに。

「……リカルド様?」

 ドアを叩いても返事がない。心配になってドアを開けてみると、部屋の奥から水音がする。きっと部屋の奥にある風呂に入っているのだろう。
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