【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 今日の仕事は結局一日中かかった。中堅貴族が主催するパーティーでの生花の飾り付けや、開会の挨拶時に魔法の花を降らせて欲しいとの依頼だ。

 もうこれまでにも何回か依頼をこなしてしまっているから、慣れているつもりだけど、花魔法を使うタイミングを合わせる時はやはり緊張する。

 ポンポンと音を立てて空中で色鮮やかな花達が開花していく。見慣れない花魔法に驚いた参加者達から感嘆のため息が漏れ、その様子を見てスイレンは思わず微笑んだ。仕事をしていて本当に良かったと思えるのは、こういう時だ。こんな自分でも、人を笑顔にすることが出来る。それに大きなやり甲斐を感じていた。

 後は主催者に辞去の挨拶をして帰るだけだ。

 今夜のパーティーはかなりの人出で、着飾った人達に混じっても遜色ないようにスイレンもある程度のお洒落はしている。ガーディナー商会で本職に素敵な髪型と流行の化粧をして貰っていて、自分でもいつもよりは見られる格好をしている自覚があった。

「やあ、君可愛いね」
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