【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 その日の仕事終わり、スイレンはいつも通りマーサに売り上げを渡すために母屋の戸を叩いた。

 マーサは何故か上機嫌でにやにやとスイレンを見た。訳もわからずに眉を寄せてしまう。マーサが上機嫌な時は、悪い知らせがある時が多いからだ。

 そしてそれは的中することになる。

「スイレン、帰ってきたのかい。お前に良い縁談があるんだよ。王都にある酒屋の大旦那がお前を後妻にしたいという申し入れがあった。明日には向こうの店へ行儀見習いに入ってもらうから用意しておくんだよ」

 スイレンはひゅっと喉を鳴らした。いつか厄介払いにどこだかに嫁がされると散々聞かされてきたけれど、まさかこんな時に縁談がまとまるなんて。

< 15 / 299 >

この作品をシェア

pagetop