【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 彼とブレンダンは契約で繋がっているから、遠くに居ても会話ができるのかもしれない。それを聞いて言葉を失ってしまったスイレンに、クライヴは人差し指を向けて暗い森の中を指し示した。

「行こう。エグゼナガルは魔の山にある洞窟に住むとされている。人化しているから感覚が鈍くて、竜の時に感じた方向しかわからないけどそんなにここからは遠くない。急ごう」

 人化しても夜目の利くらしいクライヴは、恐る恐る進むスイレンの手を引いて先へと進む。今日は月明かりも明るく満天の星の光もあるから、まだ進めるけれど、これが完全な闇夜だったら難しいだろう。背丈が低い彼は足を取られそうになる度に、支えてくれ励ましてくれた。そろそろ両足が悲鳴を上げてきた頃、クライヴがスイレンを素早く大きな木の幹の影に隠すように身を寄せた。

「……スイレン……悪い予感は当たったみたいだ。すぐそこにガヴェアの一団が居る。微かにワーウィックの気配も感じるから、この連中に捕らえられていることは間違いないと思う」
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