【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 スイレンはクライヴの手をぎゅっと握りしめた。無表情に近いその顔が間近で眉を顰め、首を横に振った。人型になっても感覚が敏感な彼には何か感じるものがあるのかもしれない。

「先を急ごう……君にはあまり見せたくない」

「……クライヴ、お願い。リカルド様とワーウィックが居るなら、その姿だけでも確かめたい……私、二人を助けるまで絶対倒れたりしないわ。お願い」

 目線を合わせて覚悟を持って言葉を選んだスイレンにクライヴはため息をついて、高台に登って遠くからなら、と頷いた。

 焚き火を囲って黒い揃いのローブを身につけたガヴェアの魔法使い達が酒を酌み交わしている。スイレンはその光景を見て口を押さえて、今にも叫び出しそうなのを堪えた。
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