【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 素早く降り立ったその場所は混乱を極めていた。方々で展開される近距離の攻撃魔法、竜が吐くブレスの光。武器が打ち合う金属音。そして夜の空気に響く悲鳴。

「……リカルド様っ!」

 クライヴから降りるとスイレンはすぐに駆け出した。後ろからキュル! っと制止するような声も聞こえた気がするけれど、振り向きもせず真っ直ぐに走り出した。

 もうあの人のことしか見えなかった。彼は繋がれていたロープだけは真っ先に切って貰ったのか、大きな木の幹にもたれ掛かるようにぐったりと倒れ込んでいる。血で服が汚れるのも構わずに抱き着いた。

「……スイレン? なんでここに?」
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