【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 リカルドの家と間取りが同じだが、ブレンダンの部屋は彼らしく洒落た雰囲気だった。黒檀の家具と真っ白の壁紙。他の色味は優しく落ち着く色合いだ。ベッドに腰掛けていたブレンダンは大怪我したという腕に包帯を巻いてはいるが他に目立つ怪我はなさそうだ。

「……ああ、スイレンちゃん。来てくれてありがとう。リカルドも、無事で良かったな」

 ブレンダンは遅れて入って来たリカルドと頷き合い、近くに居るクライヴとスイレンに向かって微笑んだ。

「ブレンダン様、クライヴを貸してくださってありがとうございました」

 深く頭を下げたスイレンを下から覗き込むようにすると、ブレンダンは言った。

「これからエグゼナガルと交渉するって聞いて肝が冷えた。僕らは契約していると心の中で話すことが出来るが、遠距離過ぎるとそれも出来ないから、心配だったけど上手くいって良かった。やり遂げたんだな。出来たら僕も行きたかったけれど、この怪我では足手まといになることが目に見えていたから、夜明けにクライヴから報告を聞いた時は生まれて初めて神様に感謝したよ。本当に、良かった」
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