【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「ま、待って、リカルド様」

 その制止の声には耳も貸さずにリカルドはスイレンの寝巻きの裾を捲り上げた。すんなりした白い両足にいくつかついていた青黒いアザに眉を寄せる。昨日診てもらった時にはまだ赤いだけだったが、先ほどお風呂に入った時に見てみたらこんな色になってしまっていたのだ。申し訳程度に貰った薬はつけてみたけれど、そんなに早く改善される訳はない。リカルドはそっと指でその肌の色が変わっている部分に触れる。もちろん痛みを感じるほどではないが、どこかくすぐったくて身を揺らした。

「……あの広い森を歩いてエグゼナガルに会いに行ってくれたんだよな、こんなに細い足で」

 それは全て自分の責任であると思っているのか、噛み締めるようにリカルドは言った。どこかその表情は暗い。思わずスイレンはその大きな手を取って握った。彼の右手は自分の両手で握っても包み込めない。でも、出来たらそうしてあげたかった。かなしい事や苦しい事から守ってあげたい。彼のためなら何だってしてあげたいと思ってしまう。

「こんなの、大した事ないです。リカルド様の、背中の傷に比べたら」
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