【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 真面目な顔をして言う。やっぱりそういう決まりが何かあるのだろうか、スイレンは首を傾げながら何度か頷き、両手を広げ待っていてくれている彼の胸に飛び込んだ。素肌同士が触れ合うとあったかくて気持ち良くて、とけてしまいそうになる。このまま、ひとつの物体になりそうな気さえしてきて。

「俺はこのままでも良いんだけど……印、つけないの?」

 そうだった、とこうしている当初の目的を思い出してスイレンは目の前にある筋肉質な胸板にキスをして、彼のしていたように吸い上げる。

「つかない……ですね」

 同じことをしているのに、全く痕がつかない。不思議な声を出して、スイレンはリカルドを見上げた。その様子をずっと余すところなく見ていたリカルドは愛しくてたまらないという顔をしてスイレンにキスをする。

「俺の皮膚が君より厚いせいだと思うよ。もっと強く吸ってみて。痛くても構わないから」

 そう言われて頷き、もう一度挑戦してみる。覚悟を持って一気に吸い上げると、薄くピンク色の痕がつく。嬉しくなってリカルドを見上げると、やっぱり微笑んで見下ろしていた。

「ふ、もっとする?」
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