【5/10書籍2巻3巻同時発売】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 首を振るスイレンに、面倒な顔はせずに懇切丁寧に使い方を教えてくれた。トイレはガヴェアとほぼ同じ使い方だったが、風呂に関しては両親が亡くなってから体を拭くのが関の山で温かい風呂に入った記憶のないスイレンには未知の領域だった。

 リカルドは使い方をもう一度復習するように言い含めると、脱衣所に大きな紙袋を置いて出て行ってしまった。きっとあの中に今日買って来てくれたものが入っているのだろう。

 レースのついた高級そうなシルクの下着や可愛らしい水色の寝巻きを取り出すと、スイレンは言われた通りに体を柑橘系の香りのする石鹸で洗った。

 みるみる内に汚れが落ちて、薄汚れていた肌や髪が本来の色へと変わっていく。大きな鏡があるので、確認しながら洗うと気持ちの良いくらい汚れが取れて肌は真っ白になったし、髪は明るい栗色へと変わっていった。

 今まで見たこともない程白くなった顔が、鏡の中からこちらを見返している。

(これでちょっとはマシになったかな……)
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