離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
「シーちゃん、シーちゃん! お前、何かしたのか? 」
翌日、ブライダル部門のチーフが、血相を変えて、サロンに駆け込んで来た。
「チーフ! おはようございます。…… もしかして苦情ですか? …… 私、お客様に何かしちゃいました? 」
ドキドキしながらチーフの顔色を伺う。
「今すぐ、社長室に行け! 呼び出しだ! 」
「へ?! わ、私ですか? 」
(他の人と、間違っているんじゃないのかなぁ…… 。 それとも、まさかクビとか……?! ウヴッ…… めっちゃ行きたくないなぁ…… )
顔も知らない社長に、用なんて全く無いんだけどなぁ…… と、憂鬱になりながら、渋々向かう。
社長室の前で秘書に名前を告げると、上から下までジーっと、値踏みされる様に見られて、かなり気分が下がった。
(…… ほら、やっぱり歓迎されてない感、半端なくない? )
「社長、シエナさんがお見えです」
「入れ」
部屋の中から、落ち着いた声が聞こえ、秘書がガチャリッと、ドアを開けた。