エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
英太もきっと急に呼び出されたのだろうと、頭を下げる。
「いや、久しぶりに会えてうれしかったよ。それより、なんて顔してるんだよ」
「なんて顔って……整形はしていませんけど」
大真面目に返すが、英太は破顔した。
「そういう問題じゃなくって。この世の終わりみたいな顔してるって言いたかったんだ」
雅史に好きな女性がいると知った楓にとっては、世界の終焉と同等かもしれない。
あたり前の展開だが、心がまだ受け止められていないのだ。
しかし父親が推している英太にそんな事実は伝えたくない。弱っているときに英太の優しさは危険だと、高校生のときに十分経験している。
「ちょっと気分が悪いだけなので」
「食事の誘いにきたんだけど、その調子だと無理っぽいな。ま、とりあえず乗って」
「乗ってって……?」
「車で来てる」
英太は有無を言わさず楓の腕を掴んで引っ張った。