エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

翌朝、楓を起こしたのはマンションのインターフォンの音だった。

ほとんど眠れずぼんやりとまどろみ、夢見心地で聞いていた音が現実だと気づいて飛び起きる。
急いで向かったインターフォンのモニターには予想もしない顔が映っていた。


「神楽先生……?」


どうして彼がここに。

いつだったか住んでいる場所の話になったときに、雅史とはこのマンションの話をしたことがある。ベビーピンクでちょっとメルヘンチックな外観をしているため、周辺では目立つ建物。べつのマンションに暮らす雅史と偶然にもルームナンバーが一緒だったため、そのとき妙に盛り上がったものだ。

驚いて応答ボタンを押せずに立ち尽くしていると、さらにインターフォンが鳴らされた。
無視するわけにはいかず、迷いながら応答ボタンを押す。


「……はい」
《寝てたか? 朝早くに悪い》


モニターの右下に表示されている日付と時刻を見て、今が六時だと知る。今日は土曜日で休みのため目覚ましはセットせずに寝ていた。
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