エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「じつは父の決めた相手との結婚が……」
こうして想いを通わせ合ったが、その予定は今も健在だ。
楓の想いに関係なく、政略結婚が待ち受けている。
「結婚?」
雅史は眉間に深い皺を寄せて不快感をあらわにした。
「……はい」
「昨夜の相手がそうなのか」
楓が頷いた瞬間、彼の瞳に獰猛な光が宿る。
「そんなことはさせない」
「えっ――んんっ」
腰を引き寄せられ、一瞬のうちに唇を塞がれた。
重ね合わせていたのはものの数秒。唇を割って入ってきた舌が、楓の口腔内で暴れはじめる。絡み合った舌から雅史の熱が伝わり、楓の鼓動を押し上げていく。
後頭部に差し込まれた彼の手が楓の髪をかき上げ、無造作に乱す。その指先でさえ熱く、胸を焦がすほどに狂おしい。