エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

大学が同じなのは知っていたが、卒業年度まで一緒だとは。


「お母様のことは残念でしたね」
「母もご存じでしたか」


(まさかお母さんまで院長の知り合いだなんて)

人はどこでどう繋がっているのかわからないものだ。

もしも三人が古い友人だとしたら、お互いに意思とは違う結婚から逃れられるのではないかと期待が膨らむ。友人同士の子どもの結婚なら、おおいに歓迎してくれるのではないか。

ところが慎一が次に口にしたのは、それとは真逆のものだった。


「あなたのお父様は、雅史との結婚は許さないでしょう」
「……はい?」


一瞬、聞き違えたのかと錯覚した。


「たとえ私が了承しても、あなたのお父様は頷かないと思います」


二度にわたって同じ内容の言葉をかけられ、聞き間違いではないと悟る。
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