エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

「どういうことでしょうか」


話が全然読めない。過去、ふたりの間になにかあったのだろうか。
目を瞬かせて質問を重ねたが、慎一は深く息を吐き出すだけに留めた。


「私から言えるのはここまでです」


思わせぶりな情報だけ与えてそれはない。


「ですから、雅史とは早々に別れを考えたほうが得策だと思いますよ。時間を無駄にするだけですから」


話は終了とばかりに慎一が立ち上がると同時に田所が入室する。


「海老沢さん、院長はこれから会食がありますので」


早く退室しろと言いたいらしい。


「……はい」


立ち上がって早足でドアまで行く。振り返って一礼しようとしたが、田所によって目の前でドアを閉められた。
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