エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
雅史はハンガーに掛けてあったジャケットを羽織った。
「でもお疲れじゃないですか?」
「執刀直後は神経がビンビンに尖ってるから、疲れなんて感じる余裕がない。ちなみにこっちも」
どことなくいたずらっぽい目をしながら、人差し指で下腹部を差す。その部分に変化は見られないから冗談で言ったのだろう。
「先生、ここは神聖な病院ですから、そういう卑猥なジョークは謹んでください」
大真面目な顔で返す楓に雅史が笑みを浮かべる。
「冗談はさておき、話もあるから」
「私も話しておきたいことがあります」
「じゃ、行こう」
雅史に誘われ、揃って病院をあとにした。