エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

雅史の車でやってきたのはオープンして間もないというイタリアンレストランだった。

高層階の窓からは星屑のようにキラキラした街の明かりが見え、遠くにスカイツリーも見える。
控えめなライトが灯るダークグレーの店内はモダンで、大人の隠れ家のようにこぢんまりとしている。

案内された個室からも眺望を楽しめ、プライベートを保たれた空間なのがうれしい。

スタッフが引いてくれた椅子に腰を下ろし、雅史と向かい合う。
コース料理をお願いし、ノンアルコールのワインで乾杯した。


「綺麗な夜景ですね」
「なんのためにここに連れてきたかわかる?」
「お食事じゃないんですか」


唐突にされた質問に、ごく真っ当に答える。
雅史は「それだけじゃない」と、ふっと笑った。


「楓に渡したいものがある」


言いながら雅史がポケットから取り出したのは――。


「院長に話を通す前にプロポーズすべきだったな」
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