エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

小さなケースに入った指輪だった。ふたを開けて現れたそれが、ライトを浴びて煌めく。

楓のマンションで『キミは俺のものだ。……誰にもやらない』と言われたのも、慎一に恋人として話を通したのも、そういうことなのだろうとなんとなく理解していたが、はっきり言われるのはわけが違う。


「楓、俺と結婚してくれないか。いや、お伺いじゃない。結婚しよう。すべきだ。してもらう」


どんどん行使力の強い言葉になっていくプロポーズに笑いが込み上げてくる。


「拒否権はないみたいですね」
「不服申し立てに五秒だけ時間をあげよう。五、四……」


早速カウントダウンがはじまった。それも真顔だ。


「判断力が試されますね」
「三、二……タイムアップ。楓は俺との結婚が確定した」


表情が和み、破顔した雅史に微笑み返す。


「喜んでお受けします」
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