エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

「それで楓の話って?」


雅史に振られ、手にしていたフォークとナイフを皿に置いた。


「私の実家の話です。まだきちんとしていなかったので」
「そうだったな」


雅史も食べる手を止め、楓をじっと見つめる。


「じつは、私の実家も病院を経営しているんです」
「病院を? ……もしかして海老沢総合病院?」


聞き返して目線を彷徨わせたあと、雅史はハッとしたように尋ねてきた。


「そうです。けどどうして」


すぐに実家の病院と結びつけたことに驚く。

(あ、もしかしたら院長から聞かされたのかな)

慎一はすでにその情報を掴んでいたから、雅史に話していてもおかしくはない。
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